菜花柚仁「自閉スペクトラム」を楽しんで生きる

仕事をしながら心理学科に通っています。 特に子供の心理や発達について研究をしています。 私自身が自閉スペクトラムと診断されていることもあって、そんな一人一人の特徴や能力を生かした過ごし方を発信していけたらと思っています。

自分を知るって面白い

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皆さんこんにちは。

 

菜花柚仁です。

 

今日のお話は昨日のカウンセリングについて思ったことを書こうと思います。

 

いろいろあって、外に出られなくなったことをきっかけに病院に行くことになりましたが、心のカウンセリングも終えて、今では自閉症スペクトラムに関する内容になりました。

 

自閉スペクトラムと言っても、今すぐ何かの困りごとがあるわけではなかったので、そろそろ病院も辞めようかなと思っていたところ、ある人から言われた言葉で自閉症スペクトラムのカウンセリングを受けようと思い立ちました。

 

「君は分類と統合が得意なんだね」

 

ある勉強会のコミュニティでお世話になっている公認心理士・臨床心理士の先生からの一言でした。

 

そのコミュニティでは事務やら何やらいろいろとお手伝いしていたのですが、いよいよ1人では手一杯だぞということで、引き継ぎをすることになったんです。

 

コロナのこともあり、会を開くことも出来ず、他の方法はないかと考え、zoomを使ったり資料は動画にしたりと工夫しながら進めていましたが、その流れを最近の便利なアプリを何個か合わせ使いしながら作ったりしていました。

 

その作った流れを引き継ぎの方にお話しして、お願いしたい部分もお伝えして、というやり取りをひとしきり見ていた先生はそう思ったそうです。

 

先生のやりたいことに合わせていろいろなツールを使って流れを作り、それを図に書いて人に説明する、ということなのですが、それが「得意なこと」と言われて驚きました。

 

人から見ると得意なことに見えるんだ?

 

なんとなく自分のできることでお手伝いしていた延長線上に得意なことがあったなんて。

 

自分のことなのに知らなかったな。

 

そういえば病院の先生にも「端的にわかりやすく人に伝えられていてすごい」と褒められたことがありました。

 

捻くれているかもしれませんが、その時は「褒める」という手法かな?くらいにしか思っていませんでした。

 

いろいろな人の言葉は自分のことを知るきっかけになるというのに、聞く耳を持っていなかった自分にガッカリです。

 

褒め言葉もさることながら、否定的な言葉も指摘も、それはそれで自分を知るチャンスで。

 

傷ついて塞ぎ込んでる時間がもったいないことなんだなと最近思いました。

 

とにかく、そんなところに得意なところがあったのかという発見が、今度は苦手なことに気がつくきっかけになりました。

 

何もないところから仕組みを作ったり、いろんな調べ物してわかりやすく資料にまとめたり、何かの書類のフォーマットを作ったりするのは得意なのですが、誰かが作った仕組みを理解することが苦手だということに気がつきました。

 

例えば、教員免許を取得するときの授業で指導案の提出がありました。

 

一体何を書いたら良いか分からず、とにかく適当に空欄を埋めたら、先生に「何が言いたいのか分からない」と言われて、いやこっちこそ何を書かせたいのかわからないという気持ちを押し殺していました。

 

結局その時はとりあえず授業やってみてと言われて、その授業自体は良かったらしく、なんとかやり過ごせましたが、結局今でも指導案を書けません。

 

今は学校の先生をしているわけではないので、指導案が書けなくても問題はないのですが、違うところに問題が発生してしまいました。

 

それは大学院の勉強です。

 

私は今、不思議なご縁で心理学科で発達や教育について学んでいます。

 

入学した当初は自分が自閉症スペクトラムということを知らなかったので、この状況がとっても不思議です。

 

ちょっと話がずれましたが、この大学院の勉強が私の苦手とする部分に直面させることになりました。

 

なぜ指導案が書けなかったかというと、指導案のフォーマットを作った人がどんな意図でそれを作ったのかが読み取れなかったからです。

 

大学までの勉強というのは、出題者の意図や考えをそんなに読まなくてもそれなりに出来ていたのですが、大学院はそうはいきません。

 

ここに気がついた時、なんで私は大学院に入学してしまったんだろうと後悔しましたが、入ったからにはどうにかせねばということで、病院の先生に相談してみようと思いました。

 

そんなことまでやってくれるのだろうかと思いつつ、意外にも快く受け入れてもらい、その方向でカウンセリングを受けることになりました。

 

先生曰く、そもそも持って生まれた脳の仕組み的に、出来ないところが良くなるということはないけれど、得意な部分でその苦手をカバーすることはできるかもしれない、とのことでした。

 

もし、今までは絶対にできないと思っていたことが少しでもできるようになるなら、こんなに嬉しいことはないぞと思いました。

 

出来ないことがあると、どうしても劣等感を持ってしまったり、そこに触れないように無意識に避けてしまったりするものですが、ちゃんと自分を知ることで今の自分がよりパワーアップできるのに勿体無いと思いませんか?

 

私はもっと素敵な人になりたいと努力する人たちで、世の中が溢れたらどれだけ幸せだろうと思っています。

 

そんな世の中を夢見ながらパワーアップする自分を楽しみたいと思っています。